服飾生地やネクタイなど、古くから繊維産業が盛んな富士吉田市で 代々、織物工場を営むテンジン。
三代目の小林新司さんは幼い頃から織 機の音に包まれ、工場を遊び場として育った。だが、小林さんが家業を継いだ頃は、安価な海外製品の流入、生産拠点の海外移転など国内の繊 維産業は岐路に立たされていた時代。そんな時に出会ったのがアン ティークリネンだった。
「西欧ではシミだらけでヨレヨレの麻の織物が、価値のある物として親から子へと受け継がれている。とても新鮮でした」。機織り技術を活かし、ふっくらと温かみのある麻織物にデザイン性が加わっ たリネンブランド「ALDIN」を立ち上げた。製品化にあたり、独特の風合いや「耳付き」のリネンを織るために高速織機に替えてアナログなシャトル織機を導入。メンテナンスや仕上げ処理に至るまで何倍もの手間と時間を要するが、それでも伝統的な織りにこだわるのは「育てるリネン」を広めるため。
「使い込むほどに柔らかくなる」と差し出された小林さん愛用のクロスの肌触りの良さに、自分だけの布を「育てて」みたくなった。
リネン(麻織物)は、洗濯に強く丈夫。デザインは、別ブランド「R&D.M.Co-」を手掛ける小林さんの妹が担当。テンジンでは「ALDIN」の他に麻製のネクタイ&ストール、カーテン、ベッドリネンなどのブランドも展開している。
テンジン(TENJIN factory&ショールーム)
〒403-0004 山梨県富士吉田市下吉田1851
0555-22-1860
※訪問時は事前に要問い合わせ
http://www.tenjin-factory.com
10:00〜19:00
休業日/月曜
中央道 河口湖ICより約15分