富士山麓の牛乳と卵でつくる絶品プリン-プリン工房メゾン・ド・リブレ【静岡県富士市】

富士山を望むまちの名物に
地元のこだわりを詰め込む

ドライブに出かけた先で出会った景色や人、体験したことは、旅の大切な宝物だ。中でも地元ならではのおいしさは、訪れた土地の素晴らしさを伝え、人生に彩りを添えてくれる。
富士山麓の数ある名物のなかでも、旅人に人気のスイーツがあると聞いて訪れたのは、プリン工房メゾン・ド・リブレ。製紙工場が立ち並び、悠然と聳え立つ富士山に見守られるまち、富士市。そのほぼ中心、国道174号線を走ると、一際目を引く金色のアゲハ蝶の看板を掲げたビルに店舗兼工房を構えている。
「子どもの頃から富士山と駿河湾を見て育ちました。大げさかもしれませんが、人生の折々で励まされ癒されてきた、いつも心にある、僕の根っことも言える風景です。2013(平成25)年の富士山の世界文化遺産登録をきっかけに、訪れた人が喜んで買ってもらえるような、地元の誇りともいえる名物をつくりたいと考えました」と話すのは、代表の時田義久さん。広告代理店勤務を経て飲食業の経営にも携ってきたという異色のプロフィールの持ち主だが、柔らかな物腰で、ゆっくりと言葉を選びながら話す姿が印象的だ。

その構想のなかでプリンを選んだのは、小さな子どもからお年寄りまで幅広い世代に愛されるおやつと思ったからだ。そこで全国各地のプリンを食べ歩き、研究を重ねた結果、牛乳と卵がおいしさの決め手になると考えた。地元の生産者を訪ねて、試作を繰り返し、富士山麓の朝霧高原にある朝霧乳業(富士宮市)の『あさぎり牛乳』と、幾見養鶏(富士市)の『さくらたまご』に行き着いた。
富士山麓の広大な牧場で、きれいな空気と水で育った牛から搾った新鮮な牛乳は成分無調整のものを使う。幾見養鶏の『さくらたまご』は、純国産鶏が産んだ濃厚な旨みが特徴で、ここの卵でなければ、という熱烈なファンも多い。義久さん曰く「プリンは素材がすべて」。仕入れた牛乳と卵は、温度管理などきめ細かく心を砕き、生産者への尊敬の気持ちを込めて大切に扱っているという。

富士山を望むまちの名物に地元のこだわりを詰め込む プリン工房メゾン・ド・リブレ

その材料がシンプルだから
一つひとつを丁寧に

メゾン・ド・リブレのショーケースには、「富士山麓のなめらかプリン」「喜味(きみ)プリン」などの定番商品の他、地元素材を使った季節限定プリンが並ぶ。「富士山麓のなめらかプリン」は、ミルクの風味そのままの、やさしい味わい。スプーンですくうと、ふるふるとした弾力がありながら舌に載せるとすっと溶けていく。一方、「喜味(きみ)プリン」のとろっとした濃厚な味わいは、一度食べると忘れられない美味しさだ。"喜びの味"の名の通り、これを食べるために遠くから訪れるファンが多いというのも納得できる。

つくるのは"プリンマイスター"の時田義丈さん。義丈さんは、義久さんの息子で、大学をやめてこの道に入った若きパテシエだ。「うちのプリンは牛乳と卵がすべてといってもいい。とてもシンプルです」という言葉通り、「富士山麓のなめらかプリン」の材料は牛乳、卵、生クリーム、三温糖だけ。義丈さんが考案した、濃厚な味わいの「喜味プリン」は牛乳、卵黄、三温糖のみでつくる。
大きなボウルに卵を入れ、温めた牛乳を少しずつ入れて丁寧に混ぜていく。機械を使わず最後まですべて手作業で行うというから驚きだ。ゼラチンが入らないのに、ちょうどよく固まるのが不思議で仕方がない。

牛乳の脂肪分も季節によって変化したり、凝固の度合いなどは気温や湿度に影響を受けるため、日によって混ぜ方も工夫し焼く温度や時間も都度変えている。「うちのプリンは、一番大切な人に食べてもらうもの」という義丈さんの気持ちが、丁寧な仕事ぶりに現れている。
「牛乳と卵の味を生かしつつ、フルーツやカカオなどを加えて新しい味をつくるのも楽しいですね」と義丈さん。すすめられて「ショコラプリン」を味わうと、上品なカカオの香りが口いっぱいに広がり、なんとも幸せな気持ちになる。

その材料がシンプルだから一つひとつを丁寧に プリン工房メゾン・ド・リブレ

名物として、身近なおやつとして
地域の人々に愛される存在に

これまでにも様々なコンテストで高く評価されてきたメゾン・ド・リブレのプリン。2017年には「喜味プリン」が「よしもと47シュフラン」金賞に輝いた。これは、47都道府県のグルメの中から、全国各地の主婦や芸人、バイヤーがご当地のおすすめ商品を選ぶというもの。「リアルな主婦の目線を大切にしたコンテストなので、受賞は本当に嬉しい」と義丈さん。
口コミでも評判が広がり、お土産や贈り物として購入する人、「いただきもので食べてみたら、とても美味しかったので自分で買いに来にました」という人、ツーリングがてらに、と遠方から訪れる人も増えている。その一方で、近所のお年寄りの姿や、自転車に乗った小学生たちが嬉しそうに買って帰って行くことも。
メゾン・ド・リブレのプリンは、義久さんが思い描いた「地元の名物」として根付き、その思いは、息子の義丈さんによってより美味しい究極のプリンとして、日々進化し続けている。日本一の山、富士山が見守るまちで、その恵みがたっぷり詰まった「喜びの味」が人々の記憶に刻まれていくのだと感じた。

名物として、身近なおやつとして地域の人々に愛さる存在に プリン工房メゾン・ド・リブレ

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名物として、身近なおやつとして地域の人々に愛さる存在に プリン工房メゾン・ド・リブレ

プロフィール

プリン工房メゾン・ド・リブレ (左)時田義久さん (右)時田義丈さん

プリン工房メゾン・ド・リブレ
2007年にオープンしたプリン専門店。工房がショップの2階にあり、つくりたてのフレッシュなおいしさが並ぶ。その季節にしか味わえない、期間限定プリンもおすすめだ。
〒416-0955 静岡県富士市川成新町293-4 TOKIビル1階
0545-67-8766
9:30~18:00
定休日/年中無休(1/1~1/3のみ休み)
http://www.m-libre.com